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とにかく推しに甘い

I'm jealous of you.(※ネタバレ)

ピンクとグレーを観てきた。あらすじとかはこちら→http://pinktogray.com/sp/
原作は読了済です。



原作を読んだ時に感じた衝撃は映画にも残っていて、面白かったしちょっとドキドキした。一緒に観にいった母も「62分後の衝撃ってキャッチコピーはほんとうだった!びっくりしたし、そこまでは面白かった!」と言っていて。始めたのは一緒になのに、どんどんごっちだけが先に行ってしまって、対等に立ちたい、並びたいはずなのに、残されていたのは彼の下に甘んじることだけ。
原作を読んだ時に(わたしは)これは友情とかいうよりはプライドの物語だな〜と思っていたから、映画にもそれが名残のように残っていて嬉しかった。

でもねえ。(ここから下はあまり良くないことが書いてあります。読まないほうがいいかもしれません。)





























62分後の衝撃、でエンドロールだったら良かったのにな、と思う。イニシエーション・ラブみたいに。これは原作を読ん読んでいるからなのかもしれないけど、そう強く感じてしまった。母も「そこまでは面白かった!」と言っていたし。
諫山先生が「映画化とは原作に忠実に作ることではなく、面白い映画を作ることだと思っています」って進撃映画の時に言ってて、わたしもそれを胸に刻んでいるけど、でもどうしたって原作と比較してしまった…。
だって結局彼らは何がしたかったのか全然わからなかったんだよ………グレーの世界での起きたことも、ごっち(柳楽優弥の方)がまるでお姉ちゃんを愛したあまりに死を選んでいたように見えることも、最後にデュポンを投げ捨てることも、「しょーもな」という台詞も。

デュポンと安物のライター(原作ではラブホだったかな?)の比較は、香凛とサリーの比較であり、ごっちとりばちゃんの置かれている世界の比較であり、それを交換することによって二人の世界が入れ替わることの暗示みたいなものだったのに、それが全然なくなってしまってたし、りばちゃんに遺書を六通残した意味も何も残ってなかったし。
デュポンとライターの意味合いを残して置かなかったのはしょうがなかったとしても、りばちゃんに遺書を六通残して、それをりばちゃんに選ばせた意味くらいは残しておいて欲しかったな〜。それがなくなってしまって、ただの原作のアイコンみたいに残っているくらいなら、いっそ残ってなくても良かったのでは?と思った…。

あとごっち(柳楽優弥)とお姉ちゃんのシーンは必要だったのか?お姉ちゃんとの禁断の愛のために死んだようにしか見えなかった…そうじゃないごっちが死んだのはそうじゃなくて…それなら原作みたいにごっち(中島裕翔)がごっち(柳楽優弥)の後を追うように首を吊って死ぬ(原作ではそこまでの描写はなかったけど、わたしはそうなったのか?と思ってる)ほうが良かったな…グレーの世界を作ることで、ピンクとグレーをより強調してたのは良かったけど、あの部分があることで、「結局何がしたかったのか」って感じになってしまって、勿体無かったな。

でもグレーの世界に入るまではすごい面白かったしドキドキしたから、総評としては良い映画だったのかな、と思う。一概には面白いとは言えないけど、圧倒される映画だった。

あと、時々りばちゃんがごっちを見る視線が菅田将暉が中島裕翔に向ける「こいつは天使だな」っていう視線と同じで、菅田くんは中島くんのことほんとに好きなんだな…とおばあちゃんみたいな気分になった。かわいい。